Overriding imatinib resistance with a novel ABL kinase inhibitor
Science. 2004 Jul 16;305(5682):399-401
要はグリベックが効かない SNP を持つ患者にも効くのを見つけたよって言うお話.現在 Phase I の様ですね.BMS-354825 はグリベック耐性のある変異のうち殆ど(T315I 以外)に in vitro で効くことが示されており,vivo での延命効果も示されている.

実際の開発の経緯はよく知らないけどこの論文で述べられていることには

the normally smooth contour of the phosphate-binding loop of ABL is distorted by imatinib binding

なんで,そこに改善の余地があったようなことが書いてあった.僕は 3D 構造 oriented な開発には懐疑的(guided ぐらいなら信じてるんだけど……)なので,本当に研究開発コンセプトが構造主導で行われたのかが知りたいところだな.例えば,昨今色んなところで言われているんだけど,極端に特定の kinase specific inhibitor は薬にはならないかもという話がある.実際この BMS-354825 も SRC-ABL dual inhibitor な訳で,そういうものを開発する上で 3D 構造がどの程度役に立ったのか知りたいと思う